自律神経失調症

自律神経は、私たちが日々暮らす中で常に働いて、内臓を動かし、体の体温や血流、心拍数を一定の状態に保ってくれる、「恒常性」という働きを担ってくれるものです。

例えば朝起きて会社や学校に遅刻しそうになって走ったとします。

走ると心臓の拍動が早くなりますが、走るのを止めて少しすると、徐々にいつも通りの拍動に戻ります。

または、暑ければ毛穴を開いて汗をかき、体温を下げる。逆に寒くなれば毛穴を閉じて体温を逃がさないように「鳥肌」と言う状態を作ったり、小刻みに体を震わせて、体温をあげようとします。

自律神経は、このように体の状態を常に監視していて、私たちが自分の意志ではコントロールできない部分を働かせて、体の状態を一定に保つ為に頑張ってくれています。

自律神経には大きく分けて2つの種類があります。交感神経と副交感神経です。

交感神経
交感神経は別名闘争の神経とも呼ばれています。
例えばスポーツなど激しい動きをしたりする時、ストレスが強くかかった時などにはこの神経が活発にはたらきます。
すると体に大量の血液を送るために心拍数があがり、筋肉内への血液量を増やし、逆に内臓への血流を制限します。

そうする事で、まさに戦うための準備を整えるのです。

副交感神経
一方、副交感神経は休息の神経と呼ばれ、交感神経とは逆の働きをします。
リラックスしている時や食事後、就寝中に活発になり、筋肉よりも内臓に血液を運び内臓が働きやすい環境をつくります。そのため体の中では栄養を消化、吸収したり負担のかかった組織を修復したりなどに作用します。

この二つがバランスよく働くことにより体を一定の状態に保つことが出来るのです。

上の図のように体をコントロールするように働いています。

自律神経が乱れる大きな原因として考えられているのがストレスです。

ストレスとは体が不快に感じる刺激すべての事をいいます。

体はストレスを感じると、その刺激に対応するために交感神経が活動します。その刺激が短時間であれば基本的に問題はないのですが長期にわたると副交感神経が働かなければいけないときに働けないような状態になります。

副交感神経は体を「休憩」の状態にする神経なので働けないと体が休めず疲労がたまってしまいます。長期にわたりそのような状態が続き体に不調が出ることを自律神経失調症と言います。

自律神経が乱れるもう一つの原因が不規則な生活習慣です。
体には一日24時間のリズムを刻む体内時計が備わっています。
この体内時計の乱れが少ないほど、自律神経へのダメージも少ないのです。

例えば、就寝と起床の時間はなるべくどちらもあわせて、１時間以内の誤差が最も望ましいとされています。

就寝時間が仕事などにより一定にできない場合は、朝の起きる時間だけは同じにするといった事をするだけでも、自律神経へのダメージは少なくなります。

これは食事の時間も同じで、食事内容は体調や気分などで、変化がある事は問題ありませんが、なるべく同じ時間に食事を取る事をお勧めします。

自律神経は同じことの繰り返し「ルーティーン」を好みますので、不規則で乱れた生活習慣によりダメージを受けやすくなっていまいます。

そしてもうひとつ忘れてはいけないのは運動習慣です、運動時に脳に分泌されるホルモンは自律神経や情緒を安定させることにとても重要になります。

運動の為にフィットネスクラブに通ったり、なにか競技を始める必要は無いと思います。

軽く気持ちが良い程度に太陽の日を浴びながら30分程度散歩をするなどの習慣を身につけられると良いと思います。

自律神経に強く影響する体の部位が、脊柱、骨盤、頭蓋、内臓になります。

これらの構造に対して、カイロプラクティックにより脊柱、骨盤、頭蓋、

内臓に対して、鍼灸治療を中心に行います。

また、施術のみの受け身のケアだけでなく、状態の回復具合に合わせて、加圧トレーニングによるアクティブなケアをお勧めする事もあります。

加圧トレーニングは、成長ホルモンを大量に分泌させることが可能なトレーニングです。

この成長ホルモンは、自律神経の安定、「活力がましてくる」、「情緒が安定する」などの情緒的な安定にもつながります。この効果は、自律神経が乱れた時に起きる睡眠障害に有効に働きます。

さらに当院では、自律神経の状態を感覚に頼る検査や評価だけでは無く、視覚化して患者さんにフィードバックするために、自律神経測定器による検査を導入、

田町アイシークリニックとの提携により、体の栄養の状態を知るための血液検査分析などを取り入れています。

これらの結果を踏まえて、それぞれに適したセルフケアや生活習慣のアドバイスをさせていただきます。